第7章 ユメミテイタイ
いつも通り。
いつものこと。
そうやって何度も私たちは
この“冗談”を言い合っている。
そんな距離感。
周りからは、いろいろ言われるが
そういう距離を保ってここまで来た。
私にとってヤツは幼馴染という
特殊なカテゴリーなのだ。
友達でも家族でも彼氏でもなく。
そしてお互いが、この関係を
大切にしていると私は思う。
本当は少し秘密がある。
ヤツが新しい彼女を連れてくるたびに
嫌な気持ちになることと、
別れるたびにほっとすることだ。
そして、そんな自分になぜか
罪悪感を覚えること。
でもこれは誰にも言わないと決めている。
まだ、言わない。
二人の距離はこのまま
まだ変わらないんだよ。
そんなことを考えながらも
口では別の話題を話し
それに笑うヤツを見て
私も笑うんだ。
fin.