第23章 目覚め
だから早く、目ぇ覚ましてくれや。
静かだと、調子狂っちまう。
それでいつものように、左之さん!って笑いかけてくれや。
この気持ちは、まだ言わねぇでおくからよ。
「…俺もお前を困らせたくねぇからな。」
そう言って、俺は潤の手をそっと握る。
握った潤の指先が微かに震えた気がした。
「……潤……?」
気のせいだったのか…?
手を離し、視線を目元に移す。
ゆっくりと開く、瞼。
俺に気づいたのか、頭を動かし
「……さの、さん…?」
あぁ、ようやく聞けた。
「…あぁ、俺だ。気分はどうだ?」
「…まだ…少しボーッとは……。」
「そうか。そのままでいろ。土方さんたち呼んでくるから。」
「…なぁ、左之さん…。」
「ん?」
襖に手をかけたら、潤から呼び止められる。
「…勘違いだったら…すげぇ恥ずかしいんですけど……左之さん、俺の手…握ってくれました?」
「あぁ、少しな。…もしかして、嫌だったか?」
ふるふると首を振る潤。
「…温かくて、優しい手だったから…嬉しかったです。」
笑って答える潤。
「…そうか。嫌じゃなくて良かったぜ。」
俺は、そう言って襖を閉めて廊下を歩き出す。
しばらく歩いて、足を止める。
「……くっそ…あの顔は反則だろうがよ…。」
意識した途端これかよ…。
意図しない潤の言葉に、火照る顔を抑えながら俺は、土方さんの部屋へ向かった。