第22章 迫り来る危機
カランッ…
俺の手から刀が滑り落ちる。
なんだよ、今になって恐怖が襲ってきた。
倒れた羅刹隊の亡骸。
土方さんの命令で走り出す新八さんと山南さん。
…風間さん達の襲撃。知っていたはずなのに。
どうして考えられなかった?
どうして千姫のとこに聞きに行けなかった?
「…俺のせいだ…。」
「潤!」
「大丈夫か?」
「…千鶴ちゃん…左之さん…。」
振り向くと、2人が傍に来てくれていた。
「ったく、無茶ばっかしやがって。」
左之さんの大きな手が、俺の頭に優しく置かれた。
「本当だよ…。潤だけが背負う必要、無いんだから。」
泣きそうになりながら、俺の手を優しく包む千鶴ちゃん。
「男が女を守るってのは正義だ。千鶴だけじゃねぇ…潤、お前もいてくれたから、鬼も撤退していった。」
「土方さんや新八だってそう思ってるはずだぜ?」
目線を上げるとここから少し離れたところにいた新八さんが、大きく頷いた。
土方さんも、こっちを見ていた。
俺は勝手に頬を伝う涙を拭い、
「左之さん…千鶴ちゃん…みんな、ありがとう…。」
それを見た土方さんは、踵を返し、建物の中へ入っていく。
「…土方さんも、よくやった、ってさ。」
「ほんと…わかりにくいよな…土方、さん…。」
「おい、潤!?」
「しっかりして、潤!」
かすれていく意識の中、左之さんと千鶴ちゃんの声だけが頭に響いていた。
その後、俺が目を覚ましたのは不動堂村へ移動した後だった。