第9章 狂った果実～アランorレオ編～

（この声…

前に聞いたのと違う。

恥ずかしそうで……

理性ふっ飛びそう…）




アランはレオの腰に手を添えると

キスを交わしたまま

優しくソファへ押し倒した。




レオの肩がぴくりと震え

瞼を覆っていた手が滑り落ち

アランのシャツの胸元を

すがるようにきゅっ...と掴む。




（か...可愛い///

いけないって分かってる。

でも...

俺…このままだと

マジでレオを…

抱いちまう…）




アランは

レオの顔の横に肘を着いて覆い被さると

そっとキスを深めていく。




『はん...』




またレオの切なげな声が漏れて

シャツを掴んでいた手が

アランの胸板を微かに押し返した。




アランが

ちゅっ...と小さな水音をたてて

唇を離すと

恥ずかしげに頬を染めて

視線を逸らしているレオが

アランの目に飛び込んできた。




どきっ。




（こいつ...こんな顔するんだ///）




ジルとの情事の時、

レオのえっちな表情を

散々見たはずなのに

今、

アランの目の前にいるレオの顔は

そのどれとも違って見えた。