第9章 狂った果実～アランorレオ編～

（その顔、

俺だけに…見せてくれてるのか？）




アランが

衝動に任せて

レオのシャツのボタンに長い指をかけ、

外そうとすると

レオが慌ててその手を止める。




『待って、アラン…』




「……......いや？」



どきどきどきどき........




『………ここじゃ...やだ』




（…ってことは…

このまま抱いてもいいって事か！？）




「…良いだろ、別に場所なんて」




（いいのか？

いいのか？

いいんだな！？）




アランはレオの抵抗を無視して

シャツのボタンを外していく。




するとレオは

顔を背けて瞳を潤ませた。




『......好きな子と、

初めてするから……

思い出に残るような場所じゃなくていいから

せめて………ベッドで…

ちゃんと

アランを感じたい…』




どっっきゅーーーーーーーん！！！




（誰これ誰これ誰これ誰これ！？

こいつこんなに可愛かったのか！？！？

なんで今まで気付かなかった俺！？）




「.........分かった」




アランは

レオの可愛らしいお願いを聞くために

はやる気持ちを

どうにか押し込めて

ベッドへと移動した。