第6章 翌日と守り隊
「私も移ったから、かな。私のお父さんは私が小さいころに他界していて、家ではお母さんと二人きりだったから」
小学校低学年までは、自分の事を話す時は"望月はねー"って話していたのを懐かしく思う。
「何故か隣の家の男の子も、私が一人称を"私"って変え始めた頃にその子も変えて…二人で"私"って言ってたの」
「え?それって…kコンビニの近くの家ですか?」
「うん。…え?まさか…」
何故、鳴子先輩と同じ様な過去だったか。私の中の絡まっていた糸がほどけた。
「硫黄くん!?」
「望月ちゃん!?」
思わず立ち上がってしまい、鳴子先輩に椅子の位置を教えてもらう。
昔近所――隣の家の男の子は鳴子先輩だったのだ。
「でも貴方は男なのでは…?でも隣の子は女の子だったはず…」
それから鳴子先輩にも、あの事件を話した。