第26章 鍵とパレットナイフ
そういえばと、まだ一つ行ってない部屋を思い出した。だからその部屋へと向かうと、今さっきで白黒だった部屋が色鮮やかに変わっていたのだ。
そして虹の橋が向こう側へとかかっていたのだ。
その渡ったところにある台の上には茶色のカギ。
それを取ると、後ろへ振り替えるのだがメアリーが付いてきていないのに気が付いた。
「メアリー?」
イヴは部屋から出て、メアリーを探すために開いていないドア以外のところを調べた。
すると下へ向かうことができる階段の上でメアリーは首なし人形を睨んでいた
メ「これ邪魔だわ・・・
これさえ なければ
今すぐ下に 行けるのに!
早くどかさないと・・・
早くどかさないと・・・!」
イヴは怖くなって部屋から出た。茶色のカギを手にして、最後のドアの前へと向かったのだ。
緊張しているのか。
それとも今さっきのメアリーの恐怖に怯えたままなのか、一向に茶色のカギははまることがなく、何度もカチャカチャと金属音がその場に響いた。
やっとのことで鍵穴にカギが刺さっていた。思い切ってドアを開け放つと、下へと降りる階段につながるところへとつながっていたのだ。これで赤司に会える・・・!
メ「・・・・イヴ どこ行くの?」
かちゃと音とともにイヴの後を追うようにメアリーが現れたのだ。
その手にはあのパレットナイフ。
息を飲むと、一歩一歩と後ろへイヴは下がり始めた。
メ「なんで一人で 行っちゃうの?
一緒に行こうって 約束したのに・・・
・・・・ねぇ
どうして 逃げるの?」
もう逃げる場所はない。壁へドンっとぶつかって少しずつ近づいてくるメアリーにイヴは首を横に振っていた。手に見えるパレットナイフに目を閉じることしかできなかった