第20章 届いて欲しい声
「『ミドリのよる』だ・・・」
メ「え?」
イヴはぽつりと何かを呟いたと同時にある部屋に向けて走り出したのだ。
メアリーはそんなイヴの後を追いかけた。
着いた場所は画の題名を入れる部屋。
この部屋の中にはそんなヒントになるようなものがなかった。
なのに目の前に立つ少女はまるで元からその画を知っているかのように題名を入れていたのだ
メ「どうしてわかったの?」
「征君が教えてくれた」
メ「え?」
それと同時だった。
目の前のドアが開いたのは。
そこは本棚があるだけで、ただ本当に小さな部屋だった。
一番左から詮索するのが妥当ということを頭の中で解釈すると、3番目の棚に一冊気になる本を見つけ、ページをめくっていた
『ある少女の末路』
『あるところに 小さな女の子がいました
女の子は 両親といっしょに
美術館へ 行きました
しかし ふと気が付くと
女の子は 迷子になってしまい・・・
うす暗い 美術館の中を
探しましたが 両親も出口も 見つからず・・・
怖くて 心細くて さみしくて
お腹もへり ノドが乾き
転んでケガをして 体力も限界になって・・・』
最後のページに小さな女の子が倒れている挿絵で終わっていた。
自分に当てはまるのがわかった。
ごくりと息を飲んだ。
大丈夫、自分はまだやれる。
まだ探索しないと。
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