第16章 赤色の目に離れ離れ
もうひとつの部屋へ入ると、メアリーは目を輝かせていた。
イヴも少し嬉しそうな笑みを浮かべていたのだが、そんな中赤司だけは目線をずらすようにしていた。
イヴの目にはうさぎの置物に画が置いてあったのだ。
『赤色の目』
赤「・・・なんなんだ
この画といい 部屋といい
なんでこんな 気色悪いんだ・・・」
メ「え? そう?
カワイイと 思うけど」
赤「お前に言ってない
イヴ、さっさと散策済ませて部屋から出るぞ」
左手にあった本棚を見ると、また一つだけある本が出ていた
『心壊』
『あまりに 精神が疲弊すると
そのうち 幻覚が見え始め・・・
最後は 壊れてしまうだろう
そして 厄介なことに・・・
自身が “壊れて”いるのを
自覚する事は できない』
そう読み終えたと同時に右の棚の上にあった緑色のうさぎが地面にいつの間にか落ちてきていたのだ。
イヴは自然と赤司の手を強く握っているのに気がついた。
赤司はその手を優しく握り返すと、そのうさぎの方へと近づいたのだった。
その破片の中でなにかが光っているのに気がつくと、イヴはそれに手を伸ばし光っていたものを取った。
紫のカギだった。
「これで隣の部屋開けれるのかも・・・!」
メ「じゃあ、いこ!
イヴ!」
メアリーはイヴの手を引っ張って、部屋から走って出て行ってしまった。
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