第12章 肖像画の正体
赤司はイヴを下すと、彼女は自分で立ち上がっていた。
ふと後ろへ視線を向けるとそこにあった肖像画に息をのんだ
「パパにママ・・・?」
赤「え?」
そう、ともに美術館へ来たイヴの父親に母親だったのだ。
思わず赤司の手を強く握りしめていた。
「どこへいっちゃったの・・・?」
赤「僕にもわからないが、きっとどこかにいる
大丈夫だ」
赤司は落ち着かせるために頭をなでていた。
うんと力なく頷く彼女に赤司はここまでイヴをおびえさせるこの美術館にふつふつとしたものがわいてくるのに気が付いた。
誰かのためにここまで思ったことがなかっただけにすこしだけ戸惑う部分もあった。
赤「休むか?」
「ううん、行く」
赤「よし、出ようか」
ここは結局なにもなかった。
部屋を出ようとドアノブをひねるのだが、開かなかったのだ。
カギを閉めたはずがないと確認していると、どんどんとドアをたたく音がした。
赤「離れるぞ、イヴ」
「う、うん」
赤司はそのドアから体を後ろへとさがった。
どうやらあの絵たちはここに自分たちがいることに気が付いたらしい。
周りを確認して、あの窓も危ないと察知したのか赤司は本棚を窓の前へとずらしたのだった。
すると部屋の中にあの絵たちが後ろの壁から侵入してきたのだ。
赤「イヴ、ソファーの周りを走ってあの穴から脱出するよ」
頷いたのを確認すると、二人はソファーの周りを走って絵をなんとかまくと外にでた。
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