第5章 猫、棒人間、時々モアイ
「不気味・・・」
モアイ像のように首から上しかない人形が大量に放置されるよう床に寝転がされていたのだった。
体がある人形や今さっき追いかけて来た首なし人形まで。
魚の体を探すように箱の中身を確認するため開けるのだがどこにも見当たらなかった。
またもや、ぱちっとともに部屋の電気が消えたのだ。
(あぁ、また電気が…)
だが、不安が募るというより、さすがに慣れてきたのか、深く息を吐いた。
動かない方がいい。
その場にうずくまるように座り込んだ。
そして電気がついたかと思うと上から黄色い液体が流れてきていたのだった。
遠目からでも、変哲のないその黄色い液体には近寄ることもなく、そこから離れて近くの花瓶へと寄るとどうやら自分がもっているバラを活けることが可能らしい。
そのバラを活けるとしおれかけていた赤いバラがイキイキと咲き出したのだ。
すると自分の体がふと楽になるのがわかった。
がたっ
「え・・・?」
モアイ像のような人形が勝手に動き出したのだ。
さすがに、まだ動くものには慣れない。
ひっと声をあげて段ボール箱が積まれている方へと後退していたのだった。
その人形は自分を追いかけるように向かってきた。
逃げる場所はない。
目を閉じてこれから襲いかかる恐怖に耐えようとすると物が割れる音がした。
目を開けるとどうやら足元にあった紙に引っかかったようでモアイ像は壊れ、その中から魚の体の部分が出て来たのだった。
前に持っていた頭とそれを組み合わせると魚の形にできあがった。
「これを当てはめればいいんだよね」
猫の部屋にもどり、魚の口へとそれをはめると猫の叫び声とともに道が広がって行ったのだった
後書き
→この物語で初の後書き
今回変換が一回もなかった・・・;;
それにまだ赤司が出てこないという
すみません(;一_一)