第36章 キャンディ
赤司はふと自分のジャージになにかが入っていることに気が付いた。
取り出してみると、入っていたのはハンカチ。
このようなハンカチは自分では持っていなかったはずだ
「あ、それは・・・」
赤「お前のか?」
頷く目の前の少女を見て、赤司は目を見張った。
確かに名前が入っていた。
なぜポケットに入っていたのだろうか。
それも血・・・
赤「血・・・?」
「?」
赤「ケガ・・・・
そうだ、ケガしたんだ
手に・・・それで
女の子が、女の子が
ハンカチをオレに・・・」
赤司は目を見開いた。
そうだ。
思い出した。
このハンカチは貸してもらった。
今目の前にいる少女に。
どうして忘れてしまったのだろうか。
こんな大事なことを。
しかし目の前にいるイヴはまだ忘れてしまっているらしい。
赤司は膝を地面につけると彼女と目線を合わせながら、これまであった出来事をゆっくりと話しかけた。
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