第31章 なくしたバラ
「う・・・」
イヴが目を覚ますと、そこは真っ暗な部屋にクレヨンで描かれた部屋だった。
近くにはあの白いマネキンまでいた。
赤司を探そうと立ち上がろうとした瞬間に身体に走ってきた痛み。
今さっきまで持っていたはずのバラがいつの間にかどこかに落ちてしまっていたのだ
「探さなきゃ・・・
征君も・・・
バラも・・・!」
辺りに気をつけながらイヴは歩きだした。
花びらが落ちているのに気が付き、その花びらを追うようにして探すと、残り一枚だけになったバラを見つけたのだった。
次々に来る痛みになんとか耐えながらも赤司から借りたジャージをもう一度羽織りなおして赤司を探し始めた。
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