第35章 近い時間
そして、杉野が振りかぶる。
俺達はそれを横目に、進藤がバットを振ると同時にあまり動かずに避ける。
カルマ「……だめだよ、そんな遅いスイングじゃ。
次はさ、殺すつもりで振ってごらん?」
うわぁ、なんかカルマがカッコイイセリフ言ってるし!
俺も言いたかったー!!
そう思い、何かカッコイイ決めゼリフがないか考えてみたが
全く浮かばなかった。
ま、野球に集中しろってことか?
それなら集中してやろーじゃねーか!
杉野がまた振りかぶった。
進藤はもう、野球という形をした異常な光景に 脅えているようだ。
観客も、ランナーも、どんどんこの光景に呑まれている。
もう進藤は普通の状態ではなかったから、
闇雲にバットを振っていた。
すると、地面にボールが当たり カルマの真上に跳ね上がった。
光「いけ!!カルマ!!」
カルマは頷き、ジャンプしてボールを取った。
カルマ「渚君!!」
と、キャッチャーの渚へとボールを投げる。
渚もうまくキャッチしたようだ。