第8章 究極の選択
『シェリー、食事を済ませたら俺の部屋に来い』
ある日の夕食前に、紅炎様から言われたことを思い出し、自室のベッドから起き上がった。
ちなみに夕食は数分前に食べ終わっている。
鏡の前で身だしなみを整え、顔を引き締めてから紅炎様の部屋に向かった。
紅炎様の部屋の前。
目の前には、頑丈そうな、某マ●オゲームのラスボスの扉みたいな扉。
コンコン、と軽くノックした。
「誰だ」、と低い声が聞こえ、「シェリーです」と答えれば、少し間があき「…入れ」と聞こえた。
「…し、失礼します」
案の定、少し力を入れて扉を押すと、『ギィィィ』と、いかにもな音がする。ちょっとびびる。
もしや、奥に進んだらボスが待ち構えて…!?なんて思い小さく構えるも、奥にいたのは紛れもない紅炎様で。
一瞬変な目で見られた気がしたが、…いや、見なかったことにする。
「…久しいな、シェリー」
「ええ、そうですね…紅炎さん」
実際には一週間くらいしか会ってないのだが…まあ良い。
「早速だか、本題に入る。
今日お前を呼んだのは他でもない、
今後のことについてだ」
「今後の、こと…?」
きょとんとした顔でオウム返しすると、紅炎様はこくん、と頷き、顔が険しくなった。
「お前が最初にこの宮殿に来たとき、紅覇は了承を得ている、と言ったな。」
「は、はい」
「それは…本当なのか?」
ドキ、と胸が高鳴った。
「……はい」
「…本当、なのか?
正直に答えろ」
「っ…」
鋭い目に見つめられ、押し黙ってしまう。
私はどうも、紅炎様のこの視線が苦手でならない。
というのも、誰にだってこういう視線を受けるのは嫌だ。
ただ、紅炎様のは違う…というか。
紅炎様にだと、どんな嘘偽りをも吐いてもすぐに言い当てられてしまう。
それはただ単に、私が嘘をつくのが下手というわけではないだろう。
「……いいえ…違います。あの時は、紅覇くんが誤り嘘をつきました。」
「…そうか」
紅炎様は少しだけ、顔を緩めた。
「すまなかったな…。紅覇にはあとで躾でもつけておく」←
「えっ」
躾って……。
(一瞬兵長が頭に浮かんだ)←
流石にそこまでしなくても、と思ったが、口には出さなかった。
「それで……シェリーはこれからどうしたい?」
「…?」