第2章 銀蛇鳥姫物語 第2話
『…ばけ、もの?』
目の先には大きな化物がいた。
此処は危険だ、そう身体中の警報が鳴っている。
…しかし、姫雫の頭には何も入ってこなかった。
二つだけ分かったコトがあった。
一つは、化物は二匹いて獣の如くお互いを喰らいあっていたのだ。
あの音は化物同士がを喰らい合っていた音だった。
そして、二つ目は二匹共…胸にぽっかりと一つの穴が空いていた―
驚きのあまり腰が抜けたのか姫雫はその場に座り込んでしまった。
(ウソ…ど、しよ。逃げなきゃ、早く、早く。逃げなきゃ殺される)
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