第1章 初恋
教室に遅れて入った途端に生徒の視線が集まる。
『おっおくれて・・・すみません。』
「すみませーんが!」
席に座る。
全然違う。
こんなの、私の理想の高校生活じゃない。
中学校と全然変わってない。
玉森さんを探す。
玉森さんは、窓際の1番後ろ。
私は、真ん中の列の1番後ろ。
外を眺めている玉森さん。
私を見て・・・
ねえ。振り向いて・・・
「?」
振り向いた・・・
ドキドキドキドキ
手を振って、隣りの席の人に手紙を渡す。
もしかして、私に?
ドキドキドキドキ
どんどん回ってきて、
私のところに来た。
_________
ハルに回して
廊下側の1番前
_________
『えっ』
私にじゃなかった。
そうだよね。
ハルっていう子を見る。
『あ・・・』
保健室の人。
彼女だ・・・
玉森さんを見ると口パクで
「よろしく」
と言っていた。
胸が痛いよ。
誰でもいいから、
この気持ちを教えてください。