第3章 一つ合宿所の屋根の下
沈黙が部屋を包み込む。みんなの顔は無表情のまま、しばらくピクリとも動かない。沈黙の中静かに口を開いたのは田中先輩だった。
「ちょ……お前怖いこと言ってんなよ……」
「いやでもホントに一体誰が、」
「嫌だそんなの聞きたくない!寝る前だぞホントにぃッ!!」
西谷先輩は影山さんの言葉を遮り、耳を塞いで声を張り上げた。確かに今10時過ぎでそろそろ寝ないといけない時間だ。さすがに私も怖いし、これ以上怖い事も聞きたくないし、起こって欲しくない。ホント起こらないで泣く。
「なぁ大地、もう、怖い話やめよう?な?時間も時間だし……」
「そ、そうだな…よし!排球烏野のゾっとする話は終わりだ!寝ようみんな!」
「そ、そうそう!寝て忘れようみんな!」
東峰先輩の提案に、主将とスガ先輩は全力で賛成する。ていうかいつの間に『排球烏野のゾっとする話』なんてタイトル付いてたんだこの怪談大会。
「て、寝るのは良いけど、瀬戸一人だろ? …大丈夫か?」
「あっ……」
主将の一言でみんなが一斉にこちらを向く。みんなの顔は真っ青だ。きっとみんなこう思ってたろう。
『塩、取ってきてやろうか?』
ぜひお願いします。