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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第3章 一つ合宿所の屋根の下


          *    *    *

「ふぅ」
肩を少しばかり過ぎた長さを持つ髪に、折り畳み式の櫛を通しながら息を吐いた。ここの合宿所の設備は、外観とは裏腹にしっかりしていて拍子抜けだった。
お風呂場も掃除が行き届いており、ドライヤーもイオンが付いているタイプで凄く助かった。致せり尽くせりとはこの事か。


荷物を手にし、脱衣所の扉を開くと、隣の男子風呂の脱衣所からも扉の開く音がした。
「ん?おっ!瀬戸じゃねぇか!」
タオルを肩に掛けて登場したのは田中先輩だった。お風呂上りの田中先輩の頬は赤く色付いている。
「お前も丁度風呂だったんだな…」
「あ、はい…田中先輩、1人、ですか?他の2年の先輩方は?」
「ん、ああ。他のやつらは先に部屋戻った。次1年が風呂だから声かけなきゃいけないんだ。部屋にいる1年には部屋戻ってたやつらが声かけるだろうから、俺は別のとこにいるやつもいないか探して声かけるつもりだ」
「そ、そうだったんですか…」


ちょっと、というか凄く意外な出来事に、気の抜けた言葉しか挟めなかった。真っ先に部屋へと駆け抜けていきそうなのに。
「あ。今超意外とか思ったろ」
「! い、いえ、超までは」
「超まではって……少しは思ったってことじゃねぇか」
「!」
慌てて自分の口元を押さえるがまさに後の祭りじゃわい。


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