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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第3章 一つ合宿所の屋根の下


言い終わると同時に一斉に皆ご飯を掻き込み始める。思わず私のスプーンを進める手が止まる。



「おれ、おかわりっ!」
「俺もっ!」



日向は赤い舌で唇を舐め、皿を手にして席から立ち上がる。それに続いて影山さんも立ち上がる。
「う、美味い…!」
「うっ、ううっ…!美味いよぉ~~~…!」
「泣き過ぎだろお前ら…スガ悪い、そいつらに水やってくれ。脱水症状起こさないか心配になってきた」
「確かにこんだけ泣いてるとな~ほら、お前ら水飲め水」
主将とスガ先輩…ご飯の時も気が抜けないな。ホントに夫婦とその子供達って感じだ。


「あの、それじゃあお疲れ様でした」
「あ、清水さん!ありがとうございました!」
潔子先輩が荷物をまとめ、会釈をする。武田先生が笑顔で返事をすると、続いて皆も挨拶をする。潔子先輩は再度会釈をし、すぐに私達に背を向ける。慌てて私は席を立ち、潔子先輩を追いかけた。合宿所の玄関に着き、扉に手を掛けているところで追いつき、声を上げる。

「潔子先輩ッ!」
「伊鶴ちゃん、どうしたの?」
潔子先輩が振り向くと、その美しい黒髪がふわりと動く。私は肩で息をしながら顔を上げる。
「やっぱり、帰っちゃうんですね…」
「伊鶴ちゃん…」
離れる寂しさだけで追いかけて来たので、言いたい事など何もなく、口を噤むんでしまう。少しの間沈黙が降りるが、それを切り裂いたのは潔子先輩だった。





「大丈夫、伊鶴ちゃんなら大丈夫だよ」
「えっ…?」






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