第4章 3.
夜道を二人で歩く。
時間も時間だし、ほとんど人影はない。
街灯が寂しく照らす、いつもの道。
それが、藤ヶ谷くんと一緒だとキラキラしてる特別な場所のように思えるから不思議だよねほんとに。
サキ「こうやって並ぶと、藤ヶ谷さんと身長差ありますね。」
今日は学校帰りだったからローファーだし、余計身長を感じる。
藤ヶ谷「そうだね。
サキちゃん、縁石の上を歩いてみてよ。
そしたら、同じくらいになるんじゃない?」
優しく笑う藤ヶ谷くんの言う通り、縁石に乗って歩いてみる。
横に一緒に並んで歩く藤ヶ谷くんは、同じくらいの身長になっていて、余計に顔がよく見えて恥ずかしくなる。
藤ヶ谷「あ、サキちゃん、やっと照れた(笑)」
そう言った藤ヶ谷くんのせいで、飛び上がる私。
うわあああ!ばれてる!!!
サキ「うわあああ、言わないで下さい!!(笑)」
すると、藤ヶ谷くんは縁石の上でじたばたする私の手をスルッと握って、
藤ヶ谷「そーゆーとこ、すげえ可愛い。
危なっかしいから手、離しちゃだめだよ。」
そう言った藤ヶ谷くんは余裕そうに私の手を引いて歩いていく。
ちょっと待って!!今!!
可愛いって!
さらっと爆弾投げて余裕そうに振る舞う藤ヶ谷くんに、経験値の差を感じますよ!?