第4章 3.
サキ「な、なんでもないです!!(笑)
とりあえず、今日は帰ります!!ここってどの辺ですか?」
慌てて立ち上がって、頭を下げる。
藤ヶ谷「そうだね、もうこんな時間だし。
ここは○○だよ。
それに、送っていくよ、お家どの辺り?」
サキ「え、そんなの悪いです!大丈夫です!!
藤ヶ谷さん、お酒も飲んでるし、お家でゆっくりして下さい!!○○なら、歩いて帰れる距離なので!
お邪魔しました!」
ペコペコしながら部屋を出て、玄関を探す。
部屋の外に出て、初めて分かったけど、すごく広いマンション。
その時、ギュッと腕を軽く掴まれた。
藤ヶ谷「まって…!
確かに、車では送れないけど…一緒に歩いちゃだめ?」
また、真剣な眼差し。
サキ「ま、またその顔!!ずるいです!!
断れないです…!!」
藤ヶ谷「よかった(笑)
ちょっと嫌われたのかなって思ったよ(笑)」
ふんわり笑う藤ヶ谷くんのその顔は、テレビで見る意地悪そうな笑顔よりも好きだ、と思った。