第4章 3.
(サキside)
優しいまどろみから目が覚める。
あれ、ここどこ?
さっきまで私、涼太と…。
違う。キスマイだ。キスマイと一緒にお店にいたはず。
とりあえず今何時!?
見知らぬベッドから身を起こし、横の椅子に置いてあった制カバンからスマホを探す。
サキ「ない…!!」
どっかに置いてきたのかな…?
トイレを出たところまではあったはずなのに…。
ベッドに戻って考えてみる。
あれがないと涼太と連絡が……。
ああ、これも違う。
もう連絡をとる必要がなくなったんだ。
藤ヶ谷「サキちゃん?起きた?」
ドアを少し開けて藤ヶ谷くんが顔を覗かせた。
え!?なんで!?そうだ、ここどこだっけ?
サキ「ふ、藤ヶ谷さん…ここどこですか…?」
恐る恐る聞いてみる。
ふわりと笑った藤ヶ谷くんは答えた。
藤ヶ谷「俺ん家だよ。勝手にごめんね。
サキちゃん、泣き疲れて寝ちゃってたんだけど起こしたくなくて。
タクシーでそのまま連れてきたんだ。」
な、なんてことだ…!
サキ「うわああ、ごめんなさい!!
また迷惑かけちゃって!!あのまま寝たのも申し訳ないです…!」
すると、藤ヶ谷くんは部屋に入ってきて、ベッドに腰掛けた。