第2章 天使の前世
その後のことは知らない。
でも母親から聞かされた。
愛姫はあの後救急車で病院に運ばれ手術をした。
小さめのナイフだったためすぐ手術は成功し終えた。だがショックが大きかったのか、意識が戻らない状態が続いている。
俺の方は警察が愛姫の父親を止め、ボコボコになって意識を失っていた為、同じように病院へ運ばれた。
気がつけば見慣れない白い天井が目の前にあった。
ベッドの横には母がいて、俺が目を覚ましたことにすぐ気がついてくれた。
担当医を呼び、その日は検査づくしだった。
異常は見つからず、次の日退院になった。
病院にいる間に一度警察が来て、あの日の夜にあった事を聞かれた。
俺はその場で見たこと、起こったことをそのまま言った。
聞くだけ聞いて警察は帰っていった。
退院するとすぐ裁判が始まった。
俺は劣勢だった。
彼女の父親側には証拠としてあのナイフがあった。
俺の方は証言が俺しかできない。しかも証拠のような品ではない。
圧倒的に不利で
最終判決は
死刑だった。