第5章 恋の始まり
「なるほど…」
「ねぇ、カエデ…これ、なんなの…?」
「多分…ののちゃんが思ってることだ思う…」
「恋…か…」
「うん…」
カエデは少し申し訳なさそうに言った。
「私…辛いよ…苦しい…」
「うん…私もその気持ちはわかるよ…」
「渚くん?」
「う、うん…///」
やっぱり。
前からなんとなく気づいていた。
「私も渚のこと考えると胸が苦しくなるんだ…」
わかる。
私も苦しくなる。
「その赤羽くんっていつから停学あけなの?」
「わかんない。渚くんは知ってるのかな?」
「さぁ、渚に聞いてみる?」
「うん、お願い。」
「ふふ、なんか恥ずかしいな。」
「何が?」
「好きな人の話とかあんまりしてこなかったからさ。」
「あぁ、でも私もそうだなぁ。そもそも今まで好きな人なんていなかったからなぁ」
「そうなの?じゃあ赤羽くんが初恋の相手かぁ」
「そうなるね」
「あっ、そういえば『初恋の小説』っていう曲あったなぁ」
「あぁ、それ知ってる!すごくいい曲だよねぇ!私小説も買った!」
「おお!本当?今度貸して!」
「いいよぉ!すっごく泣けたんだよねぇ!」
「うあわぁ!早く読みたい!」
いつの間にかいつものように会話が弾んでいて少し間があく。
「「・・・ふふ。」」
二人一緒にふと微笑んだ。
「なんかいつもの感じに戻ったね」
「だねっ」
「あっ、なんかすっごい長話しちゃった。そろそろ切るね」
「うん、明日ね」
「――ピッ」
久々に長電話をした。
いつの間にか辛い気持ちも紛れた。
赤羽くんのことはやっぱり気になる。
いつかは必ず会う。
その時のためにちゃんと対策しなきゃ。
何故か私は張り切っていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
作者から
すみません、また勝手に設定を追加しました…
カエデちゃんが渚くんを好きかどうかなんてわかりません。
私の勝手な妄想です。
カエデちゃんファンの皆様、誠に申し訳ございません。m(_)m