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第11章 証明(リヴァイside)


エルヴィンが兵舎に戻ってきて1週間経っていたが、兵士達の動揺はまだ収まらずにいた。

「いつまで待たせるつもりだ」

リヴァイはエルヴィンの執務室に居座っている。

「謁見の許可を貰う為にきちんと動いているよ。
それにまだ1週間しか経っていないじゃないか」

飽きれた様に言うとリヴァイは睨みながらエルヴィンを見る。

「エミが中央に行ってから兵士達の集中力が欠けて演習がめちゃくちゃな状態だ。
早くしねぇと監督しているこっちの身が持たん」

「気持ちは分かるが容易では無い事ぐらい君だって分かってるだろう?」

「演習だっていうのに怪我人が何人出ていると思ってるんだ。
ここは壁外じゃねぇんだぞ」

リヴァイの言葉にため息をつきながらエルヴィンは答えた。

「なら今日の夕食時に私から兵士達に説教でもしよう」

「そうしてくれ」

コンコン…

ドアがノックされエルヴィンが返事をすると兵士が1人入ってきた。

「失礼致します。
今、早馬で団長宛に手紙が来ました」

そう言って差し出された手紙を受け取ると兵士は敬礼して部屋を出た。

エルヴィンは封筒の中身を取り出し読むと微笑みながらリヴァイを見る。

「朗報だ。
王との謁見が許されたよ」

それを聞いて勢いよく立ち上がったリヴァイはエルヴィンが持っている手紙を奪い取って読んだ。

「日時は…1週間後か。
結構早いもんだな」

「1ヶ月後と手紙に書いたんだが、王はそんなに私に会いたいのかな」

「それだけは有り得んな」

その言葉に思わずエルヴィンは笑う。

「とりあえずこの事は今晩ハンジとミケにも話そう」

「これを聞いたらあの奇行種は発狂しながら喜ぶだろうな」

「ただし」

エルヴィンは表情を変えずにリヴァイを見ながら言う。

「これに関しては幹部以外には絶対秘密だ。
兵士達にこの事が知れ渡れば、面倒なことになる」

「分かってる」

当たり前だとでも言わんばかりの顔でリヴァイは答えた。

「後1つ気になることがあってね…」

「何だ」

「謁見の際はエミも王の傍に居る筈だ。
もしかしたら彼女はここに居た時とは違うかもしれない」

リヴァイの眉間に皺が寄ったが納得している様だ。

「あそことここは訳が違う。
もしあいつが変わっていても不思議じゃない」

「相変わらず呑みこみが早くて助かるよ」
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