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第9章 希望(リヴァイside)


エミと別れ自分の執務室に行ったが仕事が手につかなかった。

兵士の前で思いっきり泣いている姿を見せてしまい、後ろめたさを感じたが、1番はエミが気掛かりだった。

15歳で入団してきた当時はただのガキだと思っていたが、今では立派な大人だ。

彼女は兵士とは思えない綺麗な姿をしており、自分でも気付かないうちに彼女を見ていた。

今となってはエミが傍に居ないと落ち着かない。

中央でどんな扱いを受けるか分からないが、少なくとも良い待遇はされない筈だ。

下手したらエミの体を触ろうとするかもしれない。

そう考えると嫉妬心が芽生えた。

早くエミを取り返したい…

リヴァイはイライラしながら部屋の中をウロウロしていた。

するとドアが乱暴に叩かれる。

(ハンジか…)

入れと言うと予想どうりハンジが姿を現した。

「早速イライラしてるみたいだね〜」

そう言われて答えずにいるとハンジは困ったような顔をした。

「エミなら大丈夫だよ。
触ろうとする奴が居たら蹴っ飛ばすさ」

「黙れ」

リヴァイはハンジを睨みつけると紙をいきなり渡された。

「ちょっと王の事を調べてみたんだけど驚いたよ!」

紙に書かれた文章を読むとリヴァイは今まで生きて来た中で1番だと思われるぐらい目を見開いた。

「これは確かなのか?」

「私も初めは信じられなかったけど、確かな情報だよ」

「これは絶対に公表しない内容だろ。
どうやって調べた」

そう聞いてきたリヴァイに満面の笑みを浮かべて答える。

「私を舐めてもらっちゃ困るね〜
巨人の研究で憲兵に近付いてたからね。
特に仲の良い兵士に極秘に調べて貰ったんだよ」

「てめぇと仲良くする奴がいるとはな」

ハンジは気にする様子を見せずに笑った。

「まだエルヴィンには言って無いんだけど、先にリヴァイに言った方が良いと思ってわざわざ来たってわけ」

「エルヴィンの所に行くぞ。
これを見たら具体的な計画が立てられる」

そう言いながら足早に部屋を出るリヴァイの後ろをハンジは追いかけながら叫ぶ。

「ちょっとリヴァイ!
エルヴィンはエミと一緒に内地に行ったから今いないよ?」

するとリヴァイはため息をつきながら止まった。

「リヴァイ、そんなにエミが心配?」

「当たり前だろ」
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