第6章 運命
同じ兵団にいる場合、団長の許可が必要だ。
「俺は報告書を書かなきゃならねぇ...
お前は俺の部屋で待ってろ」
「いえ、私はここに居たいです」
「そうか。
それは自由だが無理はするな。
ここで寝たら風邪をひく」
リヴァイはそう言って新しい紙に報告書を書き始めた。
無言の静かな部屋でペンが走る音だけが響いている。
リヴァイが書いている報告書を覗くと几帳面な字が綴られていた。
リヴァイが報告書を書いている姿を見るのは初めてで、思わず見惚れてしまう。
「そんなに見られたら集中出来ねぇだろ」
「す...すみません」
エミは窓から外を見た。
星が凄く綺麗に光っている。
星を見ていると懐かしい気持ちになった。
いつから空を綺麗と感じるようになったんだろう...
少なくとも父が死んでからエミが見るこの世界は色が無かった。
兵士は嫌いだ。
特に憲兵団は紋章を見るだけで吐き気がする。
元々兵士になるつもりは無かったが、あの日父からの手紙を読み窓の外を見た時に飛んでいた鳥を見て、調査兵団に憧れた。
父も調査兵団にいる事を誇りに思っていた。
ボーっと窓の外を眺めているエミを見た後リヴァイは時計を見た。
報告書を書き始めて約2時間。
そろそろ休憩がしたい。
「エミ」
そう呼ばれてエミはリヴァイのほうを向いた。
「デッキに行くか?」
「いいですよ」
ニッコリと笑う彼女にいつも癒される。
椅子から立ち上がり部屋を出ていつものデッキへと向かった。