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第16章 幸せ


その後エルヴィンからとんでも無い事を聞かされた。

「実は壁外調査があってね。
それが明日なんだが、兵士長補佐である以上君も壁外に出て貰う事になる。
大丈夫かな?」

「明日ですか!?」

驚いたエミの様子を見てエルヴィンはリヴァイに視線を送った。

「リヴァイ…言って無かったのか?」

「忘れていた」

「絶対わざとですよね…?」

少し皮肉交じりの声で言うとリヴァイは淡々と答えた。

「お前が服役したいと言ったのは昨日だろ。
だから今日が良いと言った」

「そういう事じゃなくて、壁外調査の事に関して私に何も言って来てないじゃないですか!」

「あぁ…子供に夢中で言い忘れていた」

その言葉に頭を抱えた。

子煩悩か…?とふと思ってしまう。

「大丈夫だろ。
俺の傍に居る限り、立体機動の感覚を忘れていても問題無い。
俺が守る」

「…そういう問題ですか?」

「リヴァイ、君の言っている事は分かるが…」

「俺を信用しろ」

リヴァイが放つ言葉は冷たくも感じたが、裏がある様にも思えた。

「団長、私は兵長を信じますので大丈夫です」

真顔で答えたエミを見てエルヴィンは納得した。

「分かった。
では君をリヴァイ班に入れる事にしよう。
君の事は私から皆に言っておくよ」

「有難うございます」

微笑んで返事をしながら敬礼をし、応接間を後にした。

「リヴァイ…何か企んでます?」

「そう見えるか?」

「顔にそう書いてます」

エミの言葉にリヴァイは思わず微笑む。

「企んでいる…というのか分からんが、お前とまた行動出来ると考えたら嬉しい」

リヴァイの口から「嬉しい」という言葉が出た事で思わず目を見開いて驚いた。

「どうした」

「いえ、まさかリヴァイが嬉しいと素直に言うとは思わなかったので…」

「いつも言っているつもりだが」

「言ってません!」

そう話していると目の前にエミの知らない女兵士が現れた。

「あの…兵長、少しお時間頂けませんか?」

「無理だ」

すると女兵士は驚いてリヴァイを見た後エミへと視線を移した。

「貴方は…?」

「俺の嫁だ。
意味が分かったか?」

「す…すみませんでした!」

そう言って女兵士は走って何処かへ行ってしまった。

「リヴァイ…言葉がキツイです…」
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