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第16章 幸せ


その後はリヴァイに言われていつもより早くベッドに横になった。

「明日は忙しい日になる。
もう寝るぞ」

「明日何かありましたっけ?」

エミの問い掛けにリヴァイは「非番だろ」とだけ答える。

だが非番であればゆっくり出来る筈だが…

そう思いながらベッドでリヴァイに背中を向ける状態で横になっていると、後ろから抱き締められた。

「俺も明日は非番だ。
いつもより少し早く起きるぞ」

リヴァイの言っている意味が分からなかった。

それに気付いたのかリヴァイは自分の方へとエミを向かせ、また抱き締める。

「とにかく今日は寝る」

それだけ言ってリヴァイは何も言わなくなった。

また街に出掛けるのだろうかと思ったエミは目を瞑った。

2人は同じ班である為非番は大概一緒だ。

特に明日は調査兵団に戻ってから初めての非番なので、また街に出掛けるのだろう。

そう言えばリヴァイが好んで飲んでいる紅茶の茶葉が少なくなっていた。

あの茶葉はなかなか見つからない代物なので少し遠出するのかもしれない。

そんな事を考えていると突然リヴァイが話しかけてきた。

「寝れないのか?」

「いえ、そうじゃなくて…
お互い非番なのでいつもより早く起きなければならないのは何故かと考えていました」

それを聞いたリヴァイは少し微笑んで額にキスをしてきた。

「明日は色々買い足さなければならないのがある」

「茶葉とかですか?」

「それもあるが…」

考え込んでいる彼を見て不思議そうに見つめていると不意に答えた。

「掃除道具を一新したい」

「なるほど…」

エミは納得した。

潔癖症であるリヴァイは毎日掃除を欠かさずにしている。

特に内地から帰ってきた後は大掃除かと思うぐらい天井から部屋の隅まで埃1つ残す事を許さないぐらいだ。

その時は大抵愚痴を呟きながら掃除に励んでいる。

そういう所もエミにとってはリヴァイの好きな面の1つだった。

そう考えるとエルヴィンが言った『愛する人の行動は素敵に見える物だよ』と言った意味が分かる。

王の前でいきなり現れたリヴァイの姿も正直素敵だった。

もう少しロマンチックな感じが良かったのは事実だったが、ああいう登場の仕方も悪くは無い。

それも全て彼を愛しているからだとエミは気付いた。
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