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第14章 感覚


「中央では何をしていた」

「うーん…
基本的に演習は無かったので暇な時に部屋で筋トレをしていたぐらいです」

「なるほど」

リヴァイはそれを聞いて立ち上がった。

「戻るぞ。
そろそろ他の兵士も演習の時間になる。
今日は格闘術がメインだ」

「分かりました」

そう言いながらエミも立ち上がるといきなり木に体を押さえつけられキスをされた。

「褒美だ」

リヴァイは微笑むとそのまま立体機動を使って森の入口へと向かったのでその後ろをついて行く。

「いきなりなんて卑怯ですよ」

「いつもの事だろ」

顔は見えないが声色から機嫌が良いのは分かった。

入口に着くと立体機動を外した。

「モブリット」

たまたま通りかかったモブリットをリヴァイは呼び、2人分の装置を渡して片付けるように言った。

「兵長までモブリットさんを使うんですか」

「あいつは運が悪いだけだ」

そう話しながら少し離れた所にある広場へと向かった。

「エミさんも演習に参加するんですか?」

既に居た兵士が1人話しかけてきたが隣にリヴァイが居る事に気付き、気まずそうにする。

「うん。
憲兵に居た時に殆どして無かったから感覚を取り戻さないとね」

そう微笑みながら言うと聞いていた兵士達は嬉しそうだった。



それは一瞬で終わった。

格闘術が得意なエミは兵士達を次々と倒していく。

「お前…相変わらずだな」

「憲兵で5人相手にしましたしね」

苦笑いするとリヴァイは無表情だが何か思いついた様だった。

「なら10人相手にしてみるか」

「10人ですか!?」

驚きながら言うと僅かにリヴァイの顔がニヤけた。

エミの返事を待たずに兵士を指名していく姿に唖然とする。

そうして指名された兵士達はエミの周りを囲む様にして立った。

「お前ら、遠慮はするな。
遠慮したら間違い無く負ける筈だ。
思いっきりやれ」

兵士達は少し戸惑ったが1人がエミを攻撃してくると次々と他の兵士も攻撃してきた。

しかしそんな状況でも冷静に判断し、かわしながら倒す。

そして5分も経たない内に、相手をした兵士は皆倒れていた。

「エミさん…強すぎます…」

「そう?」

何も無かったかの様に答える彼女を見てリヴァイは満足そうだった。
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