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第14章 感覚


会議が終わるとエルヴィンはエミとリヴァイだけ残らせた。

「まだ何かあるのか」

少し苛立ち気味のリヴァイとは正反対にエルヴィンは微笑む。

「君達は晴れて夫婦になった訳だが、部屋はどうするんだい?」

確かにその事については全く考えていなかった。

暫くは中央に居ると思っていた為考えなかったっていうのもあった。

「俺の部屋で寝かせる」

「えっ!?」

何食わぬ顔で即答したリヴァイにエミは驚いた。

「何か問題でもあるのか?」

「いえ、ありませんが…
いきなりの事なのでどうしたらいいのかが…」

「なら今のお前の部屋は執務室として使って、それ以外は俺の部屋で過ごしたら良いだろ」

淡々と答えるリヴァイに反論する言葉が見つからなかった。

「兵長がそう仰るなら私は構いませんが…
私が居る事でご迷惑をお掛けする事はありませんか?」

そう聞いたエミを優しく抱き締め、リヴァイは答えた。

「俺がお前と一緒に居たいだけだ。
本当は1日中傍に置いておきたいが、お前だって仕事があるだろ。
仕事中は集中したほうがいい」

「兵長、お優しいですね」

「俺は元々優しい」

「知ってます」

「君達…私の存在を忘れていないかな?」

エルヴィンが気まずそうに苦笑いしながら話してきた。

「てめぇだってエミの事狙ってたんだろ?」

リヴァイの言っている事が分からないという様な顔をするエミを抱き締めたまま答える。

「そういう事は私の前で言わないで欲しいな」

「ならもう部屋に戻ってもいいか?」

「そうしてくれ」

そう言われリヴァイはエミから離れると手を握ってエルヴィンの執務室を出た。

「先程の言葉はどういう事ですか?」

エミはリヴァイと並んで歩きながら聞いた。

「あいつもお前の事が好きだったらしい」

「えっ…」

驚くエミを余所にリヴァイは私室へと向かう。

部屋に入ると懐かしく感じた。

掃除の行き届いた綺麗な部屋だ。

リヴァイはそのままソファーに座るように言って紅茶を淹れる。

2人分のカップを持って1つをエミに渡すと隣に座った。

「俺がお前を補佐にするよう提案しなかったらあいつの補佐にされてたぞ」

「団長のですか?」

そう聞きながら紅茶を飲んだ。
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