第3章 見守るのは斜め後ろから。。
キッドside~
トラ野郎はなにをしてるか知りたい。
そう言ったこの女は、
読み取れない表情を浮かべた。
目の先には女と絡み始めるトラ野郎の姿。
「しかたないん、だよね?
男だもん。」
驚きで酔いが覚めてきたのか
平然としていた。
だが、腕に力が入った。
それに本人は気づいてないのか、
悲しそうな目をしていた。
「おい。大丈夫か?」
「しかたないよ…」
ずっとそういい続ける。
見れなくなったのか、
うつむいた。
「見たくねぇか?」
「…うん」
また力が入る。
柄じゃねぇが、
抱き締めたいと思った。
「ならもう見るな。」
そう言って俺は、
小さな女を腕のなかにおさめた。