第2章 新しい家族。
「お前はいったい何者だ。」
黙っているとローはなんとも言えないような顔をしていた。
「…海軍に聞いてください。
それに、あなたはこういうときは
必ずしも誰でも追いかけるんですか!?」
私はなにをいってるんだろう。
「…ちがう。
ただ、……お前が走っていく後ろ姿が、
知り合いに似ていた。
だから、思わず追いかけた。」
苦しそうな顔をするロー。
私の存在がそういう顔をさせるの?
「そうですか。
でも、もう気にしなくていいと思いますよ。
あなたはその人から解放されているわけですし、
なんせ、その人はもう死んでます。」
あぁ、私はいつからこんなふうになった?
でも、しかたない。
私はそんな顔をさせるために
生きてるんじゃない。
ローが、海賊王になるために、
笑顔になるのを見守るために
生きてるのに。
私の夢は、
目の前にいるこの男が
海賊王になること。
「死んでる?
おまえ、ばかをいうな。
そいつの知り合いか?」
「はい、親しい、というわけではないですけど」
あなたの目の前にいるよ。
ばかじゃないの。
信じてるの?