第3章 見守るのは斜め後ろから。。
「いま、ローのそばにいる私は偽りの私で、
本当の私じゃない。
それに、私はローの横に並んで笑うことも、
眠ることも、名前を呼ぶことも、
触れることも、できない。」
私は貴方がおもうより、
羨ましい立場ではない。
「本当の自分でいられて、
ローに受け入れられて、そばにいて、
横で並んで笑ったり、触れたり、名前を呼べるあなたは、
とても羨ましいです。」
「あなた…」
心配するような顔で私の顔を覗き込む。
私は悔しくて、無理に笑って、
こう言った。
「あなたがこの船に乗れば、
ローは幸せになれますか?」