第1章 上。
上を向けば、空がある。
上を向けば、星が光ってる。
上を見れば、あなたがいるであろう世界が見える。
あの日から部屋の片付けが一つもできないの、何を捨てればいいかもわからない。あなたとのものが多すぎて、捨てることも、触れることもできないの。
「ねぇ、たすけてよ。」
ひとり、空に向かっていっても、
あなたはきっと現れないから。
そんなことはもう知ってるから、
だから、
私は上を向いて、
涙を流さないようにして、
あなたにばれないようにして、
今日も生きるから、
必死になんとか生きるから、
だからお願い。
私を探しに来て。
私に触れて。
私の前で笑って。
そんな願いも届かない。
私はどうすればいいの。
あなたを、わすれることは、できないや。
きらいにも、なれないや。
上を向くよ、今日も。
あなたがきっと、見ててくれてるから、