第6章 最強の味方
「日向の運動能力、中学んときから凄いよな。」
中学時代の試合を見た菅原は、改めて翔陽の力について語り出した。
「でもそれとは別に、日向には”勝利にしがみつく力”があるきがする。」
決して体格とは言えない翔陽には、恵まれた体格や優れた運動能力というものとは別の武器。
このレシーブの中で、何度「苦しい。もう止まってしまいたい」と思っただろうか。
そう思った瞬間からの、一歩を踏み出す。
そして、無茶なボールを飛雄へと打ち返した。
もう、飛雄の中に翔陽を勝ちに必要ないと思っていた心は消えていた。
そして、飛雄は翔陽へトスを上げた。
その時だった。
翔陽の顔は笑顔となり、ばんっとボールが床に叩きつけられる音がした。
「日向、それに…詠流。その…、わ、悪かったな。土曜日、勝つぞ。詠流には、負けねぇ。」
この時をもって、飛雄は『最強の味方』へとなった。
「俺の方こそ、怒鳴ってごめんな。」
翔陽は、依流のほうをみて声には出していないが口の動きで「よかったな。」といいにこっと笑った。
「か、勝つのは…あ、あ、当たり前どぉぁぉぇっ。」
その後、メンバー総出でゲロを片付けることとなった。