第6章 最強の味方
火曜午前4時55分。
問題児の二人は、体育館まえで頭を悩ませていた。
「予想してたけど…、鍵…閉まってる…閉まってる…。」
慌てる翔陽に対して、飛雄はどこか冷静であったがーー。
「じゃぁ、入れる窓探す。」
考えていることは、犯罪臭プンプンのことであった。
そんな二人に、救世主があわわれた。
坊主頭でガラの悪い、田中先輩が後ろから現れた。
手には、『第2体育館』と書かれた鍵。
「いいか、7時前には切り上げろ。」
賑やかなメンバーが揃い、秘密の朝練が始まった。
こんなことになったのは、昨日田中が3対3の試合であの二人の中に入るという理由も多少あるようだ。
それよりも、あのときの澤村の言葉を田中は信じていた。