第6章 与え、求め、受け取る(椎名翼)
いや、たまにあるじゃん?(多分)
何かモヤモヤして、物事を良い方向に考えられない時とかさ。
なんか、なんかさぁ。
自分って、要らねーんじゃねーのかなぁってさ。
『もしもし?僕だけど。日曜どうせ暇だろ?いつもの公園で10時に待ち合わせだからな』
なんか椎名から電話が来た。
選抜も部活もない日があると割と電話してくる。
いつもなら、断ると何されるか分かったもんじゃねーから、断らなかった。
だけど、今回は、つーか今の気分では、正直言って行きたくなかった。
「あの、椎名、悪りぃけど今回はパスするわ」
『は?僕の誘いよりも大切な用事があるわけ?』
「あー、いや……まぁ割と。それに、あたしじゃなくてもいいだろ?飛葉中メンツとか風祭くんとか呼べば」
久々に嘘ついちまった。
嘘つくの好きじゃねーんだけどな。
だけど
だって
あたしじゃなくてもいいんだろ?