第4章 永遠なる平穏を(麻倉葉)
「それはな、それぞれが永遠の存在だからだよ」
「永遠の存在?」
「あぁ。あたしらはそれぞれ、永遠に”今”という中にいる。人間が呼ぶ、”過去”と”未来”という時間軸には、自分はいないんだ。過去や未来に行っても、そいつにとっては『今、過去にいる』って状態になるだろ?人間は、”今”しか体感出来ねーんだ」
「あー確かになー」
「それに、肉体が滅んでも、霊体や魂は残る。だから、”自分”という存在は消えない。永遠に在り続けるんだ。葉は特にシャーマンだから、感覚的にそれを分かっているんだろうな」
「そうかー。自分という存在は永遠にある。そして、永遠に”今”にいるから、ずっとそうな気がしたんだな」
「まぁ、こんな穏やかな、ゆったり出来る今を、大切にしたいよな」
「そうだな。オイラも好きなこの今を、名前との今を大事にしていきたいなー」
二人で顔を見合わせて笑いながら、また空を眺める。
心の中に、平穏なひと時を。
永遠なる自分を、今を大切に。
END