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目の前の憂鬱

第2章 事の始まり


「メフィスト……邸に何を入れた……?」
「なに、ちょっとした余興です。しゆうの手は煩わせません……暴れてるんですか?」
嫌悪感丸出しの表情を浮かべているしゆうにメフィストは尋ねるとかすかにしゆうは頷く。
「『中』が五月蠅くてしょうがない。俺の部屋には入れてないよな?」
「もちろん。しばらくは苦労するとは思いますが、我慢してください」
「……分かった」
「……発散します? 付き合いますけど」
いつも通り、何を考えているか分からない表情のまま、メフィストが尋ねるとしゆうの表情が何かを企んでいるかのように口角があがる。
「メフィストがしたいだけじゃねーの?」
「否定はしません。どうですか?」
「……分かった。仕事早く終わらせろよメフィスト」
そう言うと手を離し、しゆうは部屋を出て行った。
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