第4章 憧れた人(ルナマリア)
「ねー名前、あたしにも射撃訓練付き合ってよー」
「仕方ねーなぁ、いつだ?」
「今からよ!」
「はいはい………」
見ての通り、俺と同じザフトの、しかも同期のルナでさえ、あんな感じだ。
完全に、名前にベッタリだ。
でもあの人は優しいから、しつこくても突き放したりしない。
そんなんだから、どんどんハマっていく女が増えるんだ。
「ルナ、いい加減にしとけよ。名前も忙しいんだからさ」
「何よシン!あたしと名前の仲を引き裂くつもり?」
「いや、そんなんじゃなくてさ………」
「別にいいよ。ルナマリアも、射撃上手くなりたいだけなんだからさ」
やる気があるのは良い事だ、と斜め上からの回答をする名前。
そう、この人はルナたちの行動が割とガチだという事に気が付いてない。
そもそも、ルナたちが名前に向けている好意にさえ、気付いてないのだ、この人は。
まぁ、普通はガチだと思わないよなぁ、と俺も思う。
ただ、名前は相手が男だった場合も同様に気付かない。
戦闘関連だったらヤバイくらい鋭いけど、恋愛面に関しては純粋過ぎるくらいの激ニブな人なのだ。