第7章 決心
「初めて力を使った時から、助けてほしかったの」
「うん」
「…承太郎、は、助けてくれていたのに、私はそれを受け入れられなかった」
「…うん」
「私、弱いって思われたくなくて、でもッ、でも、胸が痛くてわからなくて」
泣きじゃくりながら話すは年相応の女の子だった。
いつものように何も感じていないのではないかというような顔などではなく、感情を露わにして、今までたまっていたものをぼろぼろとこぼしていく。
「花京院、有難う、本当に…本当に、ありがとう」
「…いいや、僕は何もしてないよ。承太郎がずっと思っていたことなんだから」
「…?」
不思議そうに花京院を見ると、苦笑いをしていた。
「ずっとを支えていたのは承太郎さ、僕はただそばにいただけ」
承太郎がいままでどんなにを心配していたか話した。
みるみるうちにの顔は涙でいっぱいになり、ごめんなさい、本当にごめんなさいと言った。
花京院は安心した。彼女はまだ人間だったと。感情を本当に失える人間なんてこの世にはいないのだと信じて疑わなかったので、心底安心した。
「どうすれば、いいの」
「ん?」
「私、承太郎や花京院に、何をして、どうすれば…どうすれば、許してもらえるかわからない」
すると花京院はクスクス笑った。
「別に、誰も怒ってなんかいないよ」
ただ、と続ける。
「僕達の前で少しずつでいい、笑ってくれればそれで十分なんだ」
「…そ、か」
は少しだけ、微笑みを浮かべた。