第7章 決心
「流石にやりすぎだろ…」
「あれくらいやらなければから標準は外れないだろう?」
まあそうだが、と承太郎は呆れた顔をする。
「これでの居場所は確保できたさ、もう何も心配はいらないよ」
「…意外だな」
「うん?」
「回りくどい事すると思ってたぜ」
花京院は買ってきた缶コーラをぷしゅりと開け、ぐいっと飲んだ。ぱちぱちとはじける炭酸がなんだかスッとして、さわやかな気分になる。承太郎も花京院の横で同じものを飲んでいた。
「万が一、もしこれでもが嫌われていくならをつれて転校をするよ」
「そうか」
「承太郎もするかい?」
けらけら笑いながら花京院は話しかける。それもいいなと承太郎も笑った。
飲み終わった缶をゴミ箱にいれ、帰路を歩く。
「承太郎、僕はを助けられたかな」
「…どうだろうな」
「…の事が好きだよ」
「本人に言ってやれ」
「まずは承太郎に、と思って」
照れ臭そうにはにかむと承太郎は深いため息をついた。
「俺は知ってたぜ」
「え?」
「お前がの事を好きだと認識する前から知ってた」
よくしゃべるなあと花京院は分かれ道まで来ると苦笑いをする。
「もともとよくしゃべる方だぜ」
軽く手を上げて挨拶を交わし、そのまま帰宅していった。