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贈りものを君に

第5章 築いた関係



同時刻、承太郎はあまりにも遅すぎる花京院とちょっと待っていて欲しいと言っていたを昇降口でおとなしく待っていた。

「…?」

変な騒ぎ声が聞こえて、教師が廊下を走っている。いつもは生徒に走るなと言っているくせによく走っていられるなと呑気な事を考えていたが、その教師の顔が焦りの色でいっぱいだったのを見て何故だか不安にかられた。
目を離した隙にまた誰かに何かをされたんじゃあないのかと心配になる。だがだと断定できないし、ここから離れて入れ違いになるのも面倒だと思って壁に寄りかかったままでいることにした。

「空条君!」

ふと横を見るとと花京院の担任教師が額に少し汗をかいて肩で大きく呼吸していた。何事かと承太郎は目線を向けると

「さんが階段から落ちたのッ」

ぞわり、と血が頭に上っていくのがわかり、考えるよりも先に足は騒ぎ経つ階段の方へと向かっていた。嫌な予感とはこのことだったかと、早く向かっていればよかったと、後悔しながら目線をあげる。花京院に知らせるべきかとも考えたがそれは後回しだと判断した。今はがどんな状態かをこの目で確認しなければならない。
そして誰がやったのかを見つけ出してやると、承太郎は内心怒り狂っていた。

「承太郎!」

T字の廊下、右方向から承太郎もよく知る声が聞こえた。花京院だった。

「話は聞いた、が階段から落ちたって」

「事故とは思えねーな、誰かにやられたんだろ」

「やはりか…ッ」

2人が現場に付いたときにはの意識は完璧になく、青白い肌を晒して倒れているところだった。その肌とは対照的に床には血がついており、勢いよく落下したことがうかがえる。腕で頭を庇ったおかげか直接的な傷は顔などには目立たなかったが腕があらぬ方向へと曲がっている、折れているのだろう。

「ッ…!」

花京院は階段から落ちてしまったの野次馬をかきわけ、応急処置をしている教師までもを避けて必死に声をかけた。

「?!大丈夫か、目を開けてくれ!!」

「花京院君、落ち着いて、救急車が来るから」

女医の言った通り直ぐに救急車は来ては運ばれた。花京院と承太郎はただそれを見守る事しかできなかった。


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