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贈りものを君に

第5章 築いた関係




それから数か月後

「ねえ、駅前に新しくできた小物屋にはいったかい?」

「…いや」

「人気らしくて発注も追いつかない程らしい、一度行っても損はないさ」

間を置いては首を縦に振った。

花京院と、そして承太郎は打ち解け合うことに成功した。
めげずに話しかけ続けた花京院、昼食を共にとろうとした承太郎のおかげでの心はだいぶ溶け、今では軽い会話をすることまでできた。
近頃は女子生徒からの暴言暴力などはなくなり、平和そのものの学校生活を送っている。

「承太郎、行くだろ?」

「…俺が?」

「あぁ」

いいだろ?ともう一度聞くと渋々わかったと返事をする承太郎。
はこの関係にある程度満足をしていた。今まで味わったことのない安心感に戸惑いを感じ、初めこそこの二人を避けていたがあまりにもしつこすぎる花京院に呆れ、行動を共にすることにした。そこに幼馴染である承太郎がいて話しかける事すら嫌で仕方がなかったが、承太郎が余計な事をして悪かった、と一言謝るとは気にしていないと首を横に振った。

「じゃあ放課後だ、僕は委員会で呼び出されているから2人は昇降口で待っててくれ」

「わかった」

花京院はその頭の良さから生徒会に推薦された。あまりそう言ったことに興味のなかった花京院は断り、ならば学級委員会にと勧誘されそこに落ち着いた。
頭の良さと言えば承太郎もそうなのだが、彼はあまりにも不良というイメージが強すぎて誰も勧誘しに来ない。も似たようなものだ。

「じゃあ放課後な」

「うん」

花京院と、承太郎は分かれてそれぞれの教室に向かっていった。



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