第5章 Just a time to love ON
「泊まりには行くけど飯食いに来るのあんまねぇよな」
「そうですね。あなた誘っても絶対来ないですもんね」
「そりゃ、まあ勿体ねぇしな。なんか。」
何が勿体ないのかは全く分からないけど、ふーんなんて適当に流す。
「あーはらいっぱい」
「ご馳走様でした」
「うまかったろ?」
「美味しかったですよ」
そう答えると大野さんはにっこり笑ってご機嫌になった。
「にのは可愛いなー、うん。」
「きんもちわるっ」
「ふへっ、あーオイラ幸せだ」
と、言いながら大野さんは俺の手をそっと握る。
「なにしてんの?」
「いいだろ?ちょっとくらい。オイラかずの手が好きだもん」
「あなたちょっと酒はいるとその調子ですよね」
「かずはいやなの?」
「別に」
「じゃあ、いいじゃん」
そのまま大野さんのペースで家路に着く。