第34章 正体
いやらしい笑い声が部屋中に響きわたる。
渋谷「なんや、負けを認めて頭がおかしくなったんか?」
女は渋谷を睨みつけた。
「負けた?誰が?」
錦戸「お前の負けやん、ここから逃げられるんと思ってるんか?」
「逃げる?まだ分かってないんだね」
女はいやらしく笑ってみせた。
横山「この屋敷には、
もうお前が逃げられる絵はないで」
女は横山を睨みつけると
「ほんとうに忌々しい吸血鬼だ。
お前さえいなきゃ皆殺しに出来たものを...」
横山は鼻で笑った
横山「俺の仲間を舐めてるお前の負けや。
俺がおらんでも、
こいつらは何があってもお前に負ける事はないからな」
女は横山に近づき、
しわがでてきている左手をみせた。
「あと少しの所を、
いつも、お前ら吸血鬼が邪魔をする」
横山「マルの母ちゃんの事か?」
女は口を閉じた
横山「お前は誇り高き吸血鬼を
ターゲットにした時点から、
こうなる事は決まってたんや。
負け戦をしかけたんや。 」
村上「もう力がないんはわかっとるんやぞ!」
村上がイライラしながら女に言うと、
女はゾッとするほどに冷たい笑顔を見せた。
「神は私に勝利を与えてくれた...」
その時、ドアが静かに開き、が顔を出した。
大倉は叫んだ。
大倉「、逃げろ!!!!!」
その瞬間に他の仲間が女を取り押さえようとしたが、女の動きは予想より早く、
に飛びかかっていた。
その様子を大倉はとっさの判断で開きかけたドアを閉め、自分の身体で塞いだ。
その大倉の前に女は立ち止まると
「時間がないの。今度こそ赤ん坊は頂くわね」
そう言うと大倉をすごい力で跳ね飛ばした。