第8章 晴れの日の雨
「ぷっ、それで受け取らなかったの?」
『うん…笑わないでよ』
「だって、あんたそのプレゼントって、『だから受け取れなかっの!』
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晴は翌日、紅のもとを訪れていた
「まぁ…なんだかんだ長いつき合いだしね~、カカシもそろそろって思ったんじゃない?」
『そんな理由で決められないよ…私にだっていろいろあるし…』
いろいろ……
気持ちの整理が着かない
失ったものが大きすぎて
前に進めないよ……
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「…晴…アスマのことは、もういいんじゃない?」
『…よくない!…忘れられない………あつは、独りだった私を救ってくれた…ずっと支えてくれた………いなくなってからも、私はあいつが愛したものを守って生きていきたいって思った……それほど大切に想ってた…なのに…カカシといると……あいつを、アスマのことを想っていた気持ちが薄れていく……嫌なんだ……忘れるみたいで……」
「…晴……大丈夫、忘れないよ」
『紅…』
「あなたの中には、アスマとの思い出がちゃんとあるじゃない!忘れていくんじゃなくて、カカシはあなたの気持ちを和らげてくれてるんだと思うの…」
アスマを失った悲しみ
支えのいない不安
独りになる恐怖
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…ああ、そうか……
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それらを感じなかったのは
あなたがそばにいてくれたから……