第7章 夕焼け空を見上げて
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「カカシに一任する」との上層部の決定に従い、晴はカカシに言われるがまま荷物をまとめていた
『ねぇ、私今度はどこに引っ越すの?』
「隣だけど?」
『は?』
「だから俺のとこ」
『……ハァ?何で「火影の監視下に置いておけば安心でしょ?」
『…………だからって…一緒に済むこと無い、第一、カカシは忙しいんだから四六時中監視するなんて無理でしょ…』
「あぁ、大丈夫!明日からお前も火影補佐として働いてもらうから」
『はぁ?!』
「報告書整理に他里への事務連絡、会議の書類作成、火影のお茶汲み身の回りのお世話……仕事は山ほどあるからよろしくね!」
『最後の方はもう補佐の仕事じゃないだろ……』
納得いかない様子の彼女にカカシは言った
「だって、ちゃーんと返事くれたじゃない?」
彼女の唇に自らの人差し指をそっと押し当ててニコリと笑う
その仕草で、思い出されるのは先日の病室での事……
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あの時
私からカカシに…
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思い出した瞬間、パシッとカカシの手をはたき落とす
『あ、あれは事故だっ!あんなこと忘れろ!!』
「えー、やーだよ!」
『忘れろっていってんだろ!だいたい、あの時そっちから近づいて来たんじゃないのか!?……私は、そんなつもり無かったんだからなっ………』
彼女は耳まで真っ赤にして照れ隠しに視線を逸らした
「ふふ、まぁそうゆうことにしておくよ」
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不器用だけど彼女の気持ちはちゃんと彼に届いたんだ